会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2022/08/11


 坂本工業では、従業員の1名から副業・兼業(以下、「副業」という)をしたいという要望を受けた。国では副業解禁の方針が示されているものの、今後、会社としてどのように対応すべきか社労士に相談することとした。

 今日は、副業について相談したいと思っています。先日、従業員から会社が休みの日に副業したいといいう要望を受けました。

 そうでしたか。他社でも副業に関する質問が少しずつ増えており、会社と従業員の双方の関心が高まっていると感じます。

 この従業員は近年、当社の残業が少なくなったことから、その収入減を補うために副業したいという相談でした。今後も、同様の相談がくる可能性があるため、そろそろ具体的な対応について検討した方がよいのではないかと考えています。

 以前は、特に正社員について、他社で就業することで企業の情報漏洩につながったり、自社の業務に専念できなくなったりするといった理由から副業を禁止したり、消極的な許可制としている企業が大半でした。また厚生労働省が公開しているモデル就業規則でも、従業員の遵守事項として「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と、原則として副業を禁止する規定とされていました。

 当社の就業規則にも、同様の規定があります。

 この国の考えですが、働き方改革実行計画における副業解禁の方針を踏まえ、見直されています。現在公開されている厚生労働省のモデル就業規則では、以下のように原則副業を認め、例外的に制限可能というスタンスの規定に変更されています。

 前提は副業を認めるということなのですね。当社としては、副業を行うことで過重労働になったり、本来の業務に支障が出たりすると困るので、すぐに副業を認めるという方針に転換することは難しいと考えています。

 他社の状況を見ると、一部の企業では副業解禁の方針を決めて、動き出しているところもありますが、まだまだ決めかねている企業が多いというのが実態ではないかと思います。

 企業側の副業のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

 メリットとしては、従業員のスキルアップ、優秀な人材の流出防止、副業によって得た情報や人脈による事業機会の拡大等が挙げられます。

 確かに、当社の業務とは関係のない業務を行うことで、従業員のスキルアップに結び付いたり、なんらかのイノベーションに繋がったりということも考えられますね。

 デメリットとしては、過重労働や企業の情報漏洩、細かな労務管理、優秀な人材が本業を離れて副業先へ転職する可能性等が挙げられます。

 なるほど。私も、長時間労働になることは気になっていました。ただ、メリットもありそうですし、何よりも副業を認めないことによって従業員が離職してしまうという状態は避けないとならないため、何とかしたいと思っています。

 そうですね。厚生労働省は7月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定し、その中で、企業に対して副業の容認の有無、そして条件付きで認めている場合については設けている条件の内容を、自社のホームページ等で公表することが望ましいとしました。これは、副業に対する企業の考え方を示し、求職者からみて分かりやすくすることが狙いです。

 そうなると、従業員が副業を可能とする企業の求人を見て、転職という可能性もありますね。

 今回のガイドラインでは、公表の義務まではないものの、企業の考え方を示すことが求められているということも踏まえて、いよいよ副業の対応を検討する時期が来ていると感じます。次回の経営会議で検討してみます。

 

>>次回に続く



 7月に「兼業・副業の促進に関するガイドライン」Q&Aの改訂についても行われ、この中で、紹介されている自社のホームページで公表する場合の記載例は、以下のとおりです。

例:副業・兼業について条件を設けず、許容している場合
 弊社では、従業員が副業・兼業を行うことについて、条件を設けることなく、認めています。
 
例:副業・兼業について条件を設けて、許容している場合
 弊社では、従業員が副業・兼業を行うことについて、原則認めています。ただし、長時間労働の回避をはじめとする安全配慮義務、秘密保持義務、競業避止義務及び誠実義務の履行が困難となる恐れがある場合には、認めていません。

 今後、多くの企業で副業への対応が進められることによって、様々な情報が求職者や従業員の目に留まることでしょう。副業を許可しない場合にであっても、許可しない理由を明確にし、納得のいく伝え方をすることが求められる時代となっていきます。

■参考リンク
厚生労働省「副業・兼業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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